福原が、ランナーは出すものの要所を締めるピッチングで横浜打線を抑え、3年ぶりの完封勝利で、タイガースは開幕3連勝を決めた。
昨年3位に終わったタイガースの今季の課題は、先発の建て直しと、得点力アップだということは明確だ。昨年は、井川のMLB移籍、福原、安藤の故障離脱と、一昨年二桁勝利を挙げたローテーション投手3人を欠いた中での戦いはとても厳しかった。リードオフマンの赤星は頚椎ヘルニアを患い、バネ指の手術をした今岡は、シーズンを通して絶不調。視力低下が進むシーツも不振を極め、得点力は12球団最低だった。JFK、江草、渡辺といったリリーフ陣の活躍があったから何とか3位になれたが、最下位であってもおかしくないような戦力だった。
昨年のことを考えると、安藤、福原が復調した事は非常に大きい。アニキは、放っておいてもきちんと四番の仕事はするだろうし、新井も、昨年のシーツより遥かに良い成績を上げてくれると思う。今季のタイガース打線のキーパーソンは、赤星と今岡だと自分は見ている。つまり、1番と5番がポイントになると思う。03年も05年も優勝した時は、この二人が大活躍した。この二人の成績によって、得点力が大きく変わる。
開幕3連戦を振り返ってみると、全て先発に勝ち星がつき、クリーンアップに打点がついた。本当に強い勝ち方だ。今岡はまだ、若干不安があるものの、新井、金本の3番、4番は、今シーズン、多くの打点を稼いでくれそうだ。相手投手からすると、昨年は、金本だけをマークすればよかったが、今シーズンは、新井が加入したことによって、気を抜けなくなった。鳥谷も、オープン戦終盤からの好調を維持しており、攻守にわたっての活躍でチームを引っ張っている。そして、今シーズンのタイガース打線の売りは、何と言っても、赤星、平野の1、2番コンビだ。今日の試合4回の攻撃は、まさに、そんな新しいタイガースの攻撃パターンを見せてくれた。2アウトから、赤星が死球、平野が四球で1、2塁となり、3番新井の初球にダブルスチールを敢行し成功。そして、新井がきちんと2点タイムリーと、2アウトから1ヒットで2点。昨年までは観る事の出来なかった足を絡めた得点パターンだ。今年から名前を換えた関本も使いたいとは思うが、相手投手からすると、赤星・平野のコンビの方が、嫌だろう。今後、中日の荒木・井端コンビを超える嫌らしさを発揮して貰いたいと思う。
次は、昨年セリーグで唯一負け越した広島との3連戦だ。下柳、アッチソン、杉山の先発が予想されるが、ここで更に勢いをつけ、次の虚塵3連戦に臨み、一気に、虚塵を叩いておきたいところだ。