フジテレビの『新報道プレミアA』の特集で、セブンイレブンの商品開発の舞台裏を取り上げていたのを観たが、とても面白かった。コンビニの冬の主力商品である「おでん」の開発を巡って、45歳の商品開発担当部長と、納品メーカーの開発担当者が、納得できる美味しい「がんもどき」完成に向け、日々、悪戦苦闘を続ける姿を追っかけていた。ただ、最初は、面白く見ていたが、途中から、何か変な感じがしてきた。
メーカー開発担当者が作った試作「がんもどき」を食べたセブン45歳商品開発部長は、「おでんのダシが売りなのに、ダシが染み込んでいない」と厳しい評価。それを受け、メーカー開発担当者は、工場に帰って、研究を繰り返す。その時、我が家では、「気泡を大きくすればええんちゃうの」と、解決策を言い合っていた。後日、メーカー開発担当者が作った新しい試作品を、セブン45歳部長が試食するが、また、OKがでない。老舗のおでん屋の「がんもどき」を45歳部長が試食し、あることに気付く。「気泡を大きくすればいいんだ」。我が家では、「ほれみてみい。言った通りやんか。そんなん誰でも分かるんちゃうの。メーカーをミスリードしたらアカンで」。
そして、気泡を大きくして出来上がった試作品を、今度は、最後の関門「役員試食」が待っている。45歳部長も緊張気味の表情だ。役員達に、45歳部長がおでんを手渡す。その時、我が家では、「こんな年寄りばっかりが試食して、おでんの味が分かるんか。それに、年配のおばはん一人以外に女性がおらんで、どうやって評価するんや。テレビのインタビューで、毎日おでんを食べてるっちゅうてたお姉ちゃん達と同じ感覚を持っている人が試食せんと、意味ないで。ほんま、客を見てへんなあ。」といきなりカリスマ鈴木会長批判までしてしまった。
45歳部長は、役員試食での評価を受け、それをメーカー開発者に伝える。その指示は、自分が以前指摘していた事とは、真逆のことだった。テレビの演出の仕方が悪いというのもあるのだが、テレビだけを見ていると、45歳部長の存在意味が見えてこない。45歳部長には、商品開発の最終権限はないので、メーカー開発者からすれば、45歳部長の言うことを100%信用してはダメだということだ。何か変だなあって思ってテレビを見ていた。
すると、ゲストの古田敦也が、「最初に役員試食すればええのにねえ」とコメントした。まさにその通り。さすが、監督という中間管理職を経験した男の言葉は違う。この古田の爽やか且つ鋭いコメントに、スカッとした気持ちになった。