スポーツ観戦で、ここまで感動した事があっただろうか。1985年、学生時代観戦した甲子園ボウル(アメフトの学生日本一決定戦)の関学vs明治以来だろうか。トラキチの両親から産まれた自分は、産まれる前からの虎ファンであるが、その虎ファンにとって最高のシナリオが、現実のものとなった。そのドラマのフィナーレの現場に立ち会えたことは、虎ファンとして、言葉で表現できない程の幸せ者だと思う。
余りに感動した放心感もあり、また、どのように表現すれば良いのか分からず、今まで、このブログに優勝レポートを書くことができなかった。
一度に書ききれないので、これから、何回かに分けて、書いていきたいと思う。
29日は、午前、定例会議に出席した後、午後から聖地に向けて品川駅を出発した。5時半に聖地に到着したが、聖地は、この日を心待ちしていた虎ファンで既に埋め尽くされていた。いつもの試合前の雰囲気とは全く違う感じだった。
JR甲子園口駅前商店街 甲子園球場前のボード
色々と可愛がって頂いてる会社のトラキチ関西人の先輩が、義兄さんから年間シートのチケットを頂き、そのプラチナチケットを自分に譲って頂き、最高の舞台に行くことができた。しかも、座席は、放送席のちょうど真横にあり、グランド一面がくっきりと見ることのできる絶好の場所であった。5メートル横には、川藤と掛布の二人が放送席に座っており、その彼らの後ろの放送席には、真弓と中田がいた。更に、その後には、ムッシュと湯舟の二人だ。彼らと、同じ景色を見て、胴上げを見るのかと思うだけで感慨深くなった。
試合の詳細については、後述するとして、今年のタイガースの戦い方を象徴するような内容の試合だった。守っては、エース下柳が、6回をゼロで抑え、JKFで締め、打っては、初回に、赤星が出塁しアニキのタイムリーで先制、9月に入って果然本来の勝負強さを発揮した前選手会長ひーやんのダメ押しタイムリーと、まさに、王者の試合運びでの勝利だった。最後の”久保田劇場”も、”らしい”終わり方だったと思う。ウイングボールがアニキのところに飛んでいったのも、今年一番働いた選手にウイニングボールを掴ませてやろうと野球の神様が仕組んだように思った。
今日もキチンと試合を作る下柳 いつものように俯きながらベンチに戻る下柳
今日も先制打は、アニキだ!!
鉄腕稲尾を記録を抜く79試合登板の球児
五輪以来かと思わせる程、気迫溢れるピッチングみせたジェフ
1失点はご愛嬌(?)最後は久保田
特に盛り上がったのは、7回、球児がコールされた時だった。いつものようにリンドバーグの曲をバックにマウンドにあがると、シーズン最多登板日本記録の姿を映そうとするファンのカメラのフラッシュで、甲子園が真昼間のように明るくなった。この光景は、ベッカムが来日し、フリーキックを蹴る瞬間に国立競技場がフラッシュで明るくなった時に近い。最後三振にとって3アウトをとり、ベンチに下がる球児に球場が揺れる位の歓声・拍手が沸きあがり、自分も自然と目頭が熱くなり、「涙の準備は完了」というより、フライングしそうになった。本当に、球児の直球は、見てるだけで、気持ちがスキッとして、何か元気を与えてくれるような球である。その球児の球を生で見ることができ、また、記念すべき日本記録更新の登板を見届ける事ができて幸せだと思う。
日本記録更新しマウンドを降りる球児に花束が渡される。「球児、おめでとう!!」
代打では、濱中、片岡が登場し、桧山、藤本も途中出場させる等、今年頑張った選手に対する岡田監督の気配りが感じられた。優勝監督インタビューも、星野前監督と比べると、決して上手くないが、本当にタイガースが大好きで、逆に虚塵が嫌いで、そして野球が好きだということが、
伝わってくるものだった。金本にしろ、今岡にしろ、選手から、「岡田監督を胴上げしたい」といわれるように、選手から慕われる監督なんだと実感した。キャンプ打ち上げの夜、コーチ陣と酒盛りをする岡田監督のところに、下柳が現れ、「二桁勝ちますから、絶対に優勝しましょう」と誓い合って涙したというように、このチームは、岡田監督の下に、コーチ陣、ベテランから中堅・若手の選手まで纏まっており、「一丸野球」ができていたんだなあと思う。
岡田監督も、タイガースは、まだ発展途上の段階にあり、まだまだ強くなると言っていたように、
矢野、金本、桧山、下柳と言ったベテラン陣がまだ元気(というか、桧山以外は、今シーズンそれぞれ自己ベストを更新しており、まだ成長している)であるので、中堅、若手が経験を積み重ねることにより大きく成長する事が期待でき、森監督時代の西武のような強いチームとなり暫くは黄金期が続くものと思う。
ただ、64年村山・バッキーの活躍で2年ぶりの優勝を果たしたときも、恐らく虎ファンは、これからタイガースの黄金期が到来するものと思っていただろうし、それから次に優勝したのは21年後の85年、また、その後優勝したのが、18年後の03年になるとは、想像もしていなかったように思う。つまり、次の優勝が、21年後の2026年になるということもあり得る訳なので、今年の優勝の喜びを思いっきり満喫したいと思う。