第2回WBC1次ラウンドA組、侍ジャパンが、北京五輪金メダルのライバル・韓国と対戦した。戦前の予想では、1点を争う投手戦になるだろうと言われていたが、ここ数年の日本VS韓国の対戦では例を見ない、7回12点差をつけてのコールドゲームで、日本が韓国を下した。
韓国の先発は、日本キラーの左腕・金廣鉱。伸びあるストレートと、縦に鋭く割れるスライダーが武器で、北京五輪で2回対戦し、13回1/3で3得点と抑えられている。その天敵を、初回イチロー、中島、青木の3連打で先制点を挙げ、2アウトの後、稲葉に代わりスタメン出場の昨季セリーグ首位打者の内川が価値ある2点タイムリーを放ち、流れを日本に傾けた。内川が、三振で倒れていたとすると、金廣鉱を立ち直らせ、その後の展開が大きく変わっていったと思う。2回も、金廣鉱に立ち直るきっかけを掴む前に、イチローの絶妙なバントヒット等で揺さぶり、セリーグ2年連続ホームランキングの村田が、中国戦に続く2戦連続の1発を放ち、1回1/3で7安打2四球8得点を奪い、天敵・金廣鉱をKOした。
日本の先発・松坂は、立ち上がり制球が定まらず、主砲・金太均に、看板直撃の特大2ランホームランを浴びたが、その後、味方の大量得点もあり、立ち直り、4回を2失点で何とか抑えた。松坂は、大会前の強化試合と比べるとかなり調子を上げているようだ。3回、4回のピッチングを見ていると、もう大丈夫だろう。2次ラウンド、準決勝、決勝と更に調子を上げていってくれる筈だ。
松坂の後、渡辺俊介、杉内、岩田が、豪打・韓国打線を完璧に抑えヒット1本も許さず、14-2という大差でコールド勝ちを収めた。
今日の勝利を呼び込んだのは、間違いなくイチローだろう。初回のヒットが、チームに勢いを付けてくれた。日本チームは、イチローのチームとも言えるので、イチローが打たないとチームに勢いがつかない。今日のイチローは、3安打1盗塁3得点と文字通りリードオフマンとしてチームを引っ張ってくれた。
今日のコールド勝ちは、投手を余分に使わずに、また、登板したリリーフ陣も球数を多く放ることなく済ませたことが大きい。今後、韓国とは、1次ラウンド1位2位決定戦だけでなく、アメリカに行ってからも数回対戦する可能性が高い。ここ数年の苦手意識を払拭する上でも、対戦する全試合、今日のような圧倒的な勝利を挙げて欲しいし、日本チームの実力であれば出来るだろう。