今年の年末年始は、生まれて初めて、東京で過ごし、1月の3連休に帰省することにした。毎年、帰省の際に、関西の美味しい焼肉店めぐりをするのが恒例になっているが、今年は、神戸花隈にある
『炭火焼肉 満月』に行った。ネットでいろいろチェックした中で、最も気になったお店で、昨年も、行ってみようと予約の電話を入れたが、あいにく、年末年始は休みだった為に行けなかったお店だ。1年越しの想いがようやく叶った。
お店を事前チェックしていると、コースをオーダーするのが、良さそうだったので、事前に電話で、「特選コース」を予約しておいた。
まず、一皿目は、「キムチとナムルとチャンジャの盛り合わせ」。彩り美しい盛り合わせに、驚くとともに、これから、どんなものが食べられるのかと期待が高まった。
そして、二皿目は、「刺身の盛り合わせ」だ。一皿目もそうだったが、焼肉店というより、和食店に入ったのかと思うような美しい盛り付けだ。「牛たたきと柿」、「ミノとぬたの酢味噌和え」、「大根ユッケ」など、今まで食べたことのない組み合わせや、「レバー」、「ハツ」、「センマイ」と言った定番ものに、「タントロにぎり」、「牛トロにぎり」、「ネギトロ巻き」の寿司。どれも、丁寧に料理されており、とても美味しい。肉を焼く前に、既に『満月』の懐の深さ、底力に感動してしまった。
ようやく、七輪が出ててきて、焼肉が始まった。もう、準備は万端だ。まずは、塩から。「ホルモン」、「脂付ハツ」、「厚切タン」、「カブリ」、「ミスジ」。どれも、程よく、ムンチュされ、塩ダレが染込んでおり、美味しい。たまに、タレの味が強すぎて、肉本来の旨味が消されてしまっているお店があるが、このお店は、肉の旨味と塩ダレが最高のバランスだ。特に、この「ミスジ」は、赤身と脂のバランスもよく、甘み・旨味・香りとすべてにおいて最高レベルだった。
塩に続いて、タレもの。「ハチノス」「アカセン」「上ミノ」「タケノコ」「ハラミ」「サーロイン」。タレも、手が込んでおり、美味しい。もう、一口食べる度に、「うま~!」と自然と叫んでしまった。
いろんな部位を塩、タレで堪能した後、〆は、「テールスープ(ごはん入り)」だ。出汁のきいたとろとろのスープに、テール、エノキ、溶き卵、エノキ、ご飯が入っているのだが、これで、完全にノックアウトされてしまった。
「キムチとナムルとチャンジャの盛り合わせ」⇒「刺し」⇒「焼き(塩)」⇒「焼き(タレ)」⇒「テールスープ」⇒「デザート(パイナップル)」と、最初から最後まで、完璧な流れだった。焼肉店でここまでの演出ができるお店は、他にないのではないかと思う。
また、なんと言っても、このお店の魅力は、店員の感じのよいサービスだ。人気の焼肉店の中には、店主が気難しかったり、横柄な態度の店員がいたりするお店もあるが、自分はそういうお店は好きではない。確かに、美味しいかもしれないが、料理というのは、舌だけで味わうものではなく、心で味わうものだと思うので、気を使いながら、店主の顔色を伺いながら、食べることなど、飲食店として以ての外だと思っている。『満月』の店員は、みんな、元気で感じがよく、気持ちよく、焼肉を堪能することができる。
料理、肉質、サービス、全てにおいて、店主の「肉に対する“愛と情熱、そして誇り”」が、感じられる本格的焼肉店だった。『満月』が東京にあったらなあ。。。