9月15日は、4年前の2003年に18年ぶりの優勝を決めた、タイガースファンにとって、忘れることの出来ない大事な記念日だ。その記念日に、今シーズン、これまで、怪我や絶不調に苦しんだ安藤と濱中の二人の活躍で、0.5差で追いかけているオレ竜を倒し、がっちりと首位をキープした。
昨日の試合、KFがウッズに打たれ、勝ちパターンを崩されて敗戦しただけに、嫌なムードを断ち切るためにも、なんとしても、勝ちたかった今日の試合だったが、先発・安藤がボール先行で苦しい立ち上がりだった。毎回のように、スコアリングポジションにランナーを背負い、いつ先制点を奪われてもおかしくなかった。特に雨足が急に速くなった2回無死2、3塁の場面では、1点はしょうがないと諦めた。このピンチを、鳥谷、関本の二遊間のファインプレーで何とか切り抜け、その後も再三ピンチを作るが、安藤は、要所を締めるピッチングで、6回を5安打無失点と、先発の役割を果たした。一方、オレ竜先発の小笠原は、15三振を奪われた前回と同様に序盤から完璧なピッチングで、打てそうな感じがしなかった。その中で、6回裏、先頭の安藤の代打・野口が気合溢れるヘッドスライディングで2塁を奪い、鳥谷がしっかり送って、2番で先発起用された濱中が、好投の小笠原のストレートを完璧に捕らえ、レフトスタンドに運び、2点を先制した。その後、今季81試合登板の久保田、ジェフ、球児が、オレ竜打線を封じ、2-0で勝利を収めた。タイガースらしい勝ち方だった。
両軍先発投手の投球内容をみると、大負けしていても、おかしくはなかった試合だっただけに、今日の勝利は大きい。勝因は色々あげることができるが、拓虎的には、鳥谷の2つのプレイをあげたい。2回表無死2、3塁の絶対絶命の場面でのファインプレイと、6回裏無死2塁と初めてのチャンスの場面での犠打だ。昨日の試合、朝倉が突然崩れ、4対1と逆転をした次の回に2点を奪われた裏の回、先頭バッター鳥谷のポップフライを荒木が落球し、無死2塁と相手から貰ったチャンスに、赤星が送りバントを失敗し、2塁ランナー鳥谷が3塁で刺された。この送りバント失敗が、試合の流れを大きく変えたように思う。オレ竜との対戦は、投手陣が良いだけに、1点を争う試合になる。それ程、チャンスはない。だからこそ、その数少ないチャンスを如何にモノにするのかがポイントとなる。今日の試合は、そのチャンスをモノした。
昨年、3割20本をクリアし、虎の中軸打者としての更なる成長が期待された濱中も、シーズン当初は、5番ライトのレギュラーを掴んだものの、一向に調子が上がらず、2軍落ちし、5番ライトの座を林威助に奪われる。林も故障で2軍落ちすると、今度は、桜井が5番ライトの座を奪う。劇的なホームランやサヨナラヒット等でチームを引っ張った桜井だが、最近は、相手投手陣に研究され、バットは湿り気味だ。濱中には、林や桜井に負けたくないという思いもあるだろうし、桜井も、折角掴んだレギュラーのチャンスを、簡単には明け渡したいとは思っていないだろう。濱中のホームランには、「オレの事を忘れるなよ」という想いが感じられたし、濱中のホームランの後の打席で、ボールに喰らい付いて、右方向にヒットを放った桜井に、執念のようなものを感じた。林も、あと暫くすると1軍に戻ってくるだろう。濱中、桜井、林のレギュラーをかけた戦いも、これからの楽しみだ。
Gが勝ったので、2位との差は0.5ゲームで変わらない。もうここまで来たら、ゲーム差やG、Dは関係ない。岡田監督や選手が言うとおり、目の前の試合を、1試合、1試合、みんなで戦い勝って行くだけだ。2年ぶりの栄冠も近づいてくる。
今日のヒーローの二人
【6回裏の攻撃のシーン by You Tube】