東日本大震災発生から7日が経ったが、余震が続き、福島原子力発電所問題は佳境を迎え、電力不足はさらに深刻化し、計画停電だけでなく、大規模停電の可能性ができてきた。そんな状況の中、プロ野球界では、3月25日の開幕の是非について協議されていたが、加藤コミッショナーが、「セリーグは予定通り、3月25日に開幕。パリーグは、4月12日に延期する」と発表した。選手会は、セリーグも延期しセパ同時開催をNPBに訴えてきたが、それは棄却され、セリーグの25日強行開催が決定した。
昨日の段階では、セリーグ理事会の決定を、加藤コミッショナーが選手会の提案を聞き入れ、再検討となっていたが、やはり、セリーグ理事会に押し切られてしまった。これは、昨晩の巨人激励会「燦燦会」に出席し暴言を吐いた渡辺会長の力が働いたのではないかと疑いたくなる。
渡辺会長は、燦燦会で、「開幕を延期しろとか、プロ野球をしばらくやめろとか俗説がありましたが、大戦争のあと、3カ月で選手から試合をやりたいと声があり、プロ野球を始めました。フェアプレー、緊張した試合をすれば見ている人は元気が出て、エネルギーが出て生産力が上がる」と力説した。今の日本の状況は、太平洋戦争敗戦後3か月と同じなのだろうか?いや、全く違う。敗戦後3か月というのは、戦争は終わっているので、空襲や原爆の危険はないが、今の日本は、余震が続き、福島原発の問題も依然として危機から脱出できずにおり、電力不足は深刻化し、計画停電が続き、大規模停電の可能性もでてきているという、まさに、震災の最中にある。底がまだ見えない状態にあり、それが、不安を生んでいる。まだ行方不明の人も多くおり、まだ、復興の段階にはない。それよりも、早く、今の危機を脱することができるのか?被害拡大を防ぐことが出来るのか?が今一番重要だ。
その様な状況にあって、被災者に勇気を与える為という理由で、プロ野球を開幕していいのだろうか?観客の安全を担保することもできない状況で、また、深刻な電力不足の中、ナイターをしていいのだろうか?原発の問題はどうなのか?いい筈がない。
震災が落ち着き、電力不足問題も解決し、復興に向け動き始めてからが、スポーツや音楽の出番だと思う。そうなれば自粛する必要は全くなく、被災者に勇気を与えるためにも、スポーツ選手には、力と気持ちのこもったプレーをして貰いたいと思うし、球場で義援金を集めれば良いと思う。
渡辺会長は、電車に乗ることもないので、今の都内の交通状況を実感することもないだろうし、エアコンの効いた暖かい部屋で過ごしているのだろうから、今の電力不足の深刻さを全く分かっていないのだろう。この様な状況の中、25日に強行開催することによって、勇気を与えることができるというのは、思い上がりとしか言い様がない。
25日(金)、27日(日)と開幕カード2試合のチケットをゲットしており、ライヴ観戦をとても楽しみにしていたが、正直、応援する気にはなれない。それより、節電した方がいいんじゃない???ほんとに。
プロ野球労組選手会は、開幕延期、セパ同時開幕に向け、NPBと粘り強く交渉して貰いたい。もし、それでもセリーグ理事会が強行開催するというのなら、ストライキも止む無しではないかと思う。頑張れ、新井サン!!