今日は、仕事納めだった。12月25日深夜に放送された
『クリスマスの約束2009』の感動がまだ止まない。朝、会社に行く前にも、『22分50秒』を聴いて感動してしまった。曲が進むに連れて、変わっていくアーティストの表情、それを聴いている会場のお客さんの表情を観るだけで、胸が詰まってしまう。帰宅してから、また、ビデオを観て、感動してしまった。
この感動は、ライヴを観に行ったときに感じる感動とは、ちょっと違うように思う。どちらかというと高校野球などスポーツを観たときに感じる感動にも近いような気がする。アーティスト同士が、気持ちを一つにして、お互いを認め合いながら、ゴールに向かって走っていく。そして、走り終えた時に、結果というより、精一杯走りきった事に感動し涙を流す。参加したアーティストも、今まで歌を歌ったときに感じたことのないような思いをしたのだと思う。スポーツの団体競技で感じるような思いがしたのではないだろうか。曲が終わったときに見せた参加アーティスト達の何ともいえない爽快感というか達成感に満ち溢れたような表情は、勝利を収めた団体競技の選手の表情に近い。
おそらく、小田和正氏は、この感動を味わいたくて、この企画を考え、アーティスト達に呼びかけたんだろう。そして、実際に、小田和正氏が、ステージで歌い終えたときに感じた感動は、彼が思い描いていたものを遥かに超えたものだったんだろう。彼の涙をみてそう思った。
最後に、小田和正氏が送った手紙を転載したいと思う。
アーティスト諸君へ
前略、突然のことで、お許しください、お願いの手紙です。
ずっと考えていました。
たくさんのアーティストが一堂に会して、
一気に「歌いたいうた」を全員で歌ったらどうなんだろう。
たくさんというのは具体的にいえば30人(組)を超えるくらい。
そのアーティストたちが、できるだけみんなで選んだ30曲ほどを
1コーラスづつ、休まず、通して歌い倒す。
イベントのフィナーレのように歌わないけどそこに立っている人もいる、
ではなくみんなが精いっぱい歌っている。
そしてその歌のすべてが、誰もが知っている「あの曲」である必要はない。
それをTBSの「クリスマスの約束」という番組でやってみたいのです。
それがどうしたんだといわれても、甚だ無責任ですが、
返せるような確かな答えはありません。
何かが伝わるかもなどとも言いません。
でももし「それ、面白そうじゃん。付き合ってもいいよ」と
膝を軽くポンと叩いて同意してくれるようなら
「どんなヤツが来るの?アイツがいるならイヤだ」と言う、
まるでちょっと前のボクのような了見の狭い気持ちはこの際、
思い切り捨てていただいてぜひ参加してください。
運動会の参加費くらいのものと、たいへんだったなぁという思い出しか用意できないと思いますが、
基本的にすべての曲は、全員でユニゾン、つまり斉唱でと考えています。
そしていちばん肝心なこと、収録日は11月30日を予定しつつ、
ご返事、さらに忌憚のないご意見をお待ちしています。
2009年8月 小田和正